ベースの基本情報についてご紹介します。
今回の記事について
ベースってどんな楽器?
ギターとどう違うの?
どんな種類のベースがある?
今回はこういった疑問について解説していきたいと思います。
ベースという楽器はアンサンブルの中では欠かせない存在でありながら、
残念ながら、ギターやピアノなどと比べると楽器としての魅力度は低いようです。
今回の記事でベースについての基本的なことをもっと知って頂き、
ベースの魅力を見出しましょう!
ベースってどんな楽器?

ベースの主な特徴
- 低音を出すことができる弦楽器である。
- アンサンブルの中で欠かせない存在。
- 和音を出さない。
ということで、ベースについて詳しく解説します。
まず、「ベース」とは大まかに言うと低音域を出すことができる弦楽器の事を指します。
例えばポピュラー音楽を構成する楽器の中には、ギター、ピアノ、サックスなどの管楽器、シンセサイザーなどの電子楽器がありますが、
その中でもベースは一番低い音で、楽曲全体の芯を支えるという役割があります。
ピアノやギターは一つの楽器で複数の音(和音)を奏でることが出来ますが、
ベースのように低い音は基本的には和音は出しません。

低い音ばかりで和音を出したとしても、濁ってしまいあまりキレイなハーモニーにはなりません。
それからピアノやギターであれば、その楽器単体で一つの曲を表現することができますが、
ベースは単体で成立する楽器ではなく、他の楽器とのアンサンブルの中に存在する楽器です。
このように、ベースは他の楽器ほど目立つようなフレーズやキレイなハーモニーを奏でたり、
曲の主役になるような楽器ではありませんが、楽曲の中では絶対に欠かせない存在なのです。
ベースの歴史は?
クラシックの中でも低音域を支える弦楽器があります。
コントラバスです。
このコントラバスを起源として、
1951年にfender社より「プレシジョン・ベース」というベースが発売されました。

FENDER / Made in Japan Traditional Original 50s Precision Bass
fender社から発売されている、初期型のプレシジョン・ベースの復刻モデルです。
ちなみに
プレシジョン・ベース以前にもエレクトリック・ベースは存在していたようですが、
価格も高く一般的に普及するほどではなかったそうです。
これが現存するエレクトリック・べースの元祖ともなる商品なのですが、当時、このプレシジョン・ベースの最も画期的な仕様はというと、
指板にフレットがついて正確な音程を出せるようになったこと。
コントラバスを含む、それまでに存在したベースは初心者にとっては音程を取る事が難しく、演奏のハードルが高かったのですが、
「正確」という意味の名を持つプレシジョン・ベースの登場によって、ベースという楽器が広く普及していきました。
どんな種類のベースがある?
ベースの主な種類
- エレクトリック・ベース
- ウッド・ベース
- エレクトリック・アップライト・ベース
- アコースティック・ベース
ということで、主なベースの種類について解説していきます。
エレクトリック・ベース
エレクトリック・ベースとは
・「ベース」というと基本的にはこれを表す。別の種類と区別する場合に「エレキベース」と呼ぶ場合も。
・基本的な仕組みや演奏方法はエレキギターと同じ。

FENDER / Made in Japan Traditional 60s Jazz Bass, 3-Color Sunburst
プレシジョンベースと同様、fender社から発売されている「ジャズベース」。エレキベースの中でも定番機種です。
エレクトリック・ベース(以下エレキベース)は、エレキギターと同様、弦の振動から電気信号を生み出す仕組みを持った楽器です。
基本的にベースというとこの楽器を表すことが多いですが、
後述する他の種類のベースと区別する場合に「エレキベース」と呼ぶことがあります。
ちなみに
・エレキベースの中には、一般的な仕様のもの以外にアクティブベース、フレットレスベース、多弦ベースといった仕様のベースが存在します。
エレキギターとの違い
エレキベースは正しくは「エレクトリック・ベース・ギター」と言います。
つまりエレキベースとは「低音域を担うエレキギター」とも言えるでしょう。
では下の二つの画像のどちらがベースでしょうか?


正解は上の画像です。
とてもよく似た見た目をしていますが、
ベースはギターと比べて、ネックが長い、弦が太いといった特徴があります。
それから、ギターには普通6本の弦を張りますが、ベースに張る弦は主に4本です。
このように、エレキベースは、ネックの長さや弦の数や太さ等の違いはあるものの、
ピックアップで弦の振動を電気信号に変える、ボリュームノブやラインアウトジャックが付いている、ストラップを取り付け肩にかけて演奏する、
といった基本構造や演奏形態はエレキギターと同じです。
ちなみに
・エレキベースの中には、一般的な仕様のもの以外にアクティブベース、フレットレスベース、多弦ベースといった仕様のベースが存在します。
ウッド・ベース
ウッド・ベースとは
・コントラバスの別名。
・床に立て、演奏者が支えながら演奏する。
ウッド・ベースとは「コントラバス」の別の呼び名です。
エレキベースが登場する前はジャズやブルースといったポピュラー音楽の低音は、コントラバスが担っていました。
コントラバスは演奏が難しく、大型で扱いづらいというデメリットはあるものの、
エレキベースには出せない音を奏でられることから、現代においてもあえてコントラバスが使用される曲があります。

クラシックで使用される場合は「コントラバス」と呼ばれることが多いですが、ジャズやロックなどのポピュラー音楽で使用される場合は「ウッドベース」と呼ぶことが多いため、ベースの種類の一つとしてその名が挙がる事となっています。
ちなみに
「ウッド・ベース」という言葉は和製英語なので海外の方には通じません。
海外ではコントラバスの他に「Upright Bass(アップライト・ベース)」や「Doubel Bass(ダブル・ベース)」と呼ぶのが一般的です。
エレクトリック・アップライト・ベース
エレクトリック・アップライト・ベースとは
・ウッド・ベースのような演奏方法で、電気信号を出力できるベース。
・ウッド・ベースのようにフレットが無いが、音はどちらかと言えばエレキベースに近い。

YAMAHA / SLB300 サイレントベース
エレクトリック・アップライト・ベースの定番機種であるYAMAHA社のSLBシリーズです。
エレクトリック・アップライト・ベースは、ウッド・ベースのように立てて演奏し、エレキベースのようにライン出力することができるベースです。

「アップライトベース」や「EUB」と呼んだりします。
ウッド・ベースと同様、ジャズなどのジャンルの曲に使用されることが多いのですが、
ウッド・ベースと比べて軽量でコンパクト、さらにライン出力ができるのでライブでも便利に使えるというメリットがあります。
また本体から発する音はウッド・ベースと比べても格段に小さいので、自宅の練習も気兼ねなく行うことが出来ます。

ただし音はどちらかというとフレットレスのエレキベースに近いです。
また、商品によってはウッド・ベースの演奏感とは異なるものもあります。
ウッド・ベースのサウンドが欲しい方やウッド・ベースの練習用として購入しようとする方は注意が必要です。
アコースティック・ベース
アコースティック・ベースとは
・エレキベースと同じ演奏形態で生音を出すことができるベース。
・「アコースティック」とは言うものの、大体のものはライン出力することを前提に作られている。

GUILD / B-240E エレクトリック・アコースティックベース
音楽に本気で取り組むベーシストのために作られた、演奏しやすく、豊かなボリュームのアコースティックベースです。
エレキベースが生み出された後に、
「エレキベースと同じ弾き方ができて生音の出るベースがあったらいいよね」
ってことで生まれたのがこのアコースティック・ベースです。

アコースティックギターやカホンなどの生楽器とのアンサンブルで使用されることが多いのですが、本来ベースの音域を生音で響かせようとすると、やはりコントラバス程度の大きさのボディは必要だそうです。
なので他の生楽器とのアンサンブルの中では埋もれてしまうので、アコースティック・ベースは基本的にはライン出力することを前提としています。
ですのでエレクトリック・アコースティック・ベースという呼び名が正しいと言えるでしょう。
また、「アコースティック・ベース」とはコントラバス (=ウッド・ベース)を指すことも多いため、混同してしまわないよう注意が必要です。
まとめ

ベースとは?
- コントラバスを起源とした低音域を出すことができる弦楽器。
- 主役の楽器のように派手ではないがアンサンブルの中で欠かせない存在。
主なベースの種類は?
- エレクトリック・ベース
- ウッド・ベース
- エレクトリック・アップライト・ベース
- アコースティック・ベース
エレクトリック・ベースとは?
- エレキギターと同じく電気信号を発する弦楽器。
- 基本構造や演奏形態もエレキギターと同じ。
- なので低音域を担うエレキギターとも言える。
- 1951年に発売された「プレシジョンベース」を発端として広く普及した。
ウッド・ベースとは?
- ポピュラー音楽で使うコントラバスの呼び名。
- ダブルベース、アップライトベースとも言う。
- ジャズなどの特定のジャンルやそういったテイストの曲によく使用される
エレクトリック・アップライト・ベースとは?
- ウッド・ベースと同じ演奏形態でライン出力もできるベース。
- ウッド・ベースよりも軽量で扱いやすい.。
- サウンドはフレットレスのエレキベースに近い。
アコースティック・ベースとは?
- エレキベースと同じ演奏形態で生音が出るベース
- 大体の場合ライン出力も付いているので正しくは「エレアコ・ベース」。
- 「アコースティック・ベース」というと「ウッド・ベース」と混在してしまう場合も。
以上、今回はベースの基本情報についてご紹介しました。
最後までご覧いただきありがとうございました。