エレキギター弦の種類と特徴を解説します。
今回の記事について
どれを選んだら良いかわからない!
いろんな種類があるけどどう違うの?
「エレキギター弦」と一重に言っても、楽器屋さんには数百ほどの商品点数があります。
その中から適切な弦を購入するためには、エレキギター弦の種類とそれぞれの特徴を知っておく必要があります。
今回は初心者の方でもわかりやすいように、
エレキギター弦の種類を見極めるためのチェック項目と、それぞれの違いや特徴について解説します。
是非最後までご覧ください。
弦のゲージをチェック

エレキギター弦の種類を見極めるための、一つ目のチェック項目は「弦のゲージ」です。

弦の「太さ」のことを「ゲージ」と呼びます。
エレキギターには、ゲージの異なる6本の弦を張りますが、
ここでいう「弦のゲージ」とは、どのゲージの弦を組み合わせて1本のエレキギターに張るかということです。
また、ゲージはインチで表しますが、通例的に最後の2〜3ケタで表すことが多いです。
例えば
例えば1弦によく使用される「0.010インチ」の弦は、
「10」や「010」と表記され、呼び方は「イチゼロ」や「ジュウ」と表します。
そういったことを踏まえて、どういったゲージの種類があるか、どう違うかを解説していきます。
標準的なゲージの弦
例:ダダリオ / EXL110 REGULAR LIGHT GAUGE

例:ダダリオ / EXL120 SUPER LIGHT GAUGE

標準的な弦の太さ
標準【レギュラーライトゲージ】= 1弦:10 / 2弦:13 / 3弦:17 / 4弦:26 / 5弦:36 / 6弦:46
標準細め【スーパーライトゲージ】= 1弦:09 / 2弦:11 / 3弦:16 / 4弦:24 / 5弦:32 / 6弦:42

始まりの弦(1弦)と終わりの弦(6弦)から、
「10-46(イチゼロヨンロク)」「09-42(ゼロキュウヨンニ)」とも呼ばれます。
このエレキギターに張る弦においては、この組み合わせが標準となります。
一般的に弦の太さによってテンション(張力)が変わるため、
弦の押さえやすさ、弦の切れやすさ、音のハリ
などに影響しますが、
この二種類であればそこまで気にせず、両方とも使ってみて好みの方を選んでしまって大丈夫です。
それ以外のゲージの弦
この2種類以外の弦の組み合わせは大まかに分けると、
細め、太め、カスタム
という風に分けられます。順番に見ていきましょう。
細めゲージの弦
例:ダダリオ / EXL130 EXTRA SUPER LIGHT

エレキギター弦の中でも最も細い弦で、太さは「08-38」となります。
標準的なゲージの弦と比べて押さえやすい、指が痛くなりにくいというメリットがありますので、
「09-42を使ってみたけどどうしても押さえにくい!指が痛い!」
というような場合は一度使用してみても良いのではないでしょうか?
太めゲージの弦
例:ダダリオ / EXL145 HEAVY GAUGE

標準的なものよりも太い弦で、太さは「11-48」や「11-50」、「12-54」というように、
メーカーやラインナップによって様々です。
太い弦は音もパワフルでハリがあるため、
標準的なゲージの弦と比べ低音が強調されます。
また、ドロップチューニング(通常より低めに設定するチューニング方法)を行う場合、
弦のテンションを保つために太い弦を使用することも多いです。
変則ゲージの弦
さらに各ゲージの良いとこを取って組み合わせたような、変則ゲージのエレキギター弦も存在します。
例:アーニーボール /ハイブリッドスリンキー

こちらのエレキギター弦は、
ゲージが「09-46」で、1〜3弦はスーパーライトゲージ、4〜6弦はレギュラーゲージという、まさにハイブリッドな組み合わせのエレキギター弦です。
例:ダダリオ / EXL140 Light TOP HEAVY BOTTOM

また、こちらは、
「10-52」で1〜3弦はレギュラーゲージ、4〜6弦はヘヴィーゲージという組み合わせです。
弦の素材をチェック

エレキギター弦の種類を見極めるための、次ののチェック項目は「弦の素材」です。
代表的な素材と、その特徴をご紹介していきます。
ニッケル弦
特徴
・エレキギター弦として定番の素材。
・錆など劣化のスピードが速い。
例:アーニーボール /レギュラースリンキー

ニッケルは、エレキギター弦として定番の素材です。
そのためバランスよく扱いやすいサウンドを好む方には最適と言えます。
また様々なメーカーから発売されており、種類が豊富なので、
ニッケル弦の中からさらに自分のお気に入りを探すこともできます。
ただし、他の素材と比べると錆びやすいため、こまめにメンテナンスを行うようにしましょう。
ステンレス弦
特徴
・ニッケルよりも硬い素材で、明るくブライトな音色。
・ニッケル弦と比べて錆びにくい。
・少し高額。
例:アーニーボール /ステンレススチール・レギュラースリンキー

ステンレス弦はニッケル弦よりも硬く、耐久性にも優れています。
また、ブライトな音色を奏でたいと考えている方に最適です。
ただし、ニッケル弦よりも少しだけ高額です。
コーティング弦
特徴
・錆に強く長持ちする。
・マイルドなサウンド。
・滑らかな触感。
・高額。
例:エリクサー / NANOWEBコーティング弦

ニッケル弦に特殊なコーティングが施されているエレキギター弦です。
従来のエレキギター弦(ノンコーティング弦)は手汗による錆や汚れなどによって劣化するため、
弦を交換した時の音と数日経過した時の音には歴然の差があります。
コーティング弦なら交換したての音が長期間持続するため、弦交換の頻度を減らすことができます。
1セットあたりの価格はノンコーティング弦の2〜4倍と高額ですが、
価格以上の持続性があり、結果的に安くついたという場合もあります。
またコーティング弦独特のマイルドなサウンドは、人によってデメリットである場合があります。
例えば、ノンコーティング弦を交換したてのブライトで刺さるような高音は、たとえ交換したばかりだとしてもコーティング弦には出せません。

あと交換した直後に切れてしまうと、ノンコーティング弦以上に落ち込んでしまうというデメリットもあります。
弦の巻き方をチェック
エレキギター弦の種類を見極めるための、最後のチェック項目は「弦の巻き方」です。
6本あるエレキギター弦の内、4〜6弦は、
芯線の周りを巻線が巻かれて1本の弦となっている「巻弦」という弦です。
この時に使用する巻線の形状によって、弦の種類が異なります。
どういった種類があるのか見ていきましょう。
ラウンドワウンド弦
特徴
・丸い断面の巻線を使用。
・明るい音色で、サスティンを得られやすい。
・エレキギター弦では最も一般的な巻弦。
まず、最も一般的な巻弦であるラウンドワウンド弦です。
この弦は芯線に対して丸い断面の巻線が巻かれており、表面は凹凸があって少しザラザラしています。
なので弦を触ったり滑らしたりする時に、「キュイっ」というフィンガーノイズが出やすいです。
また、これまで例として挙げてきた弦の商品はすべてラウンドワウンド弦のエレキギター弦です。
何も考えずにこれを選んでも問題ないくらい定番の弦なので、まずはラウンドワウンド弦から使うようにしましょう。
フラットワウンド弦
特徴
・平らな断面の巻線を使用。
・暖かく、サスティンが短い。
・ラウンドワウンド弦よりも高価。
例:THOMASTIK INFELD / JS112

フラットワウンド弦は、平らな巻線が巻かれており表面は凹凸が少なくサラッとしていますが、
指と接する面積は増えるため、指移動(スライドやグリス)の時はラウンドワウンド弦よりも抵抗を感じます。
独特の甘いトーンを奏でることができるため、ジャズギタリストが好んで使用します。
ただし、サウンドやサスティンのコントロールはラウンドワウンド弦よりも難しく、指板側の手の指も痛くなりやすいため、
初心者がいきなりフラットワウンドを使うのはお勧めしません。
まずはラウンドワウンド弦でしっかりコントロールできるようになってから、
「あ~甘い音だして~」
と思った時に使うようにしましょう。
ハーフラウンドワウンド弦
特徴
・ラウンドワウンド弦の表面を加工で平らにした弦。
・ラウンドワウンド弦と、フラットワウンド弦の中間的存在。
・ラウンドワウンド弦よりも少し高価。
例:ghs / R+RL NICKEL ROCKERS Light

ハーフラウンドワウンド弦は、ラウンドワウンド弦の表面を、研磨等の加工によって平にした弦です。

「セミフラットワウンド弦」と呼ぶこともあります。
ラウンドワウンド弦とフラットワウンド弦の中間的なサウンドと演奏性なので、
ラウンドワウンド弦からフラットワウンド弦に行く前に、一度お試しで使ってみても良いのではないでしょうか?
まとめ
エレキギターの種類の見極め方
- ゲージをチェック
- 素材をチェック
- 巻き方をチェック
エレキギター弦のゲージの種類
- 大まかに「標準」、「細め」、「太め」、「変則」がある
- 初心者には「標準(10-46、もしくは09-42)」をおすすめ
エレキギター弦の素材の種類
- 「ニッケル」、「ステンレス」、「コーティング」がある
- 初心者には「ニッケル」をおすすめ
エレキギター弦の素材の種類
- 「ラウンドワウンド弦」、「フラットワウンド弦」、「ハーフラウンドワウンド弦」がある
- 初心者には「ラウンドワウンド弦」をおすすめ
今回はエレキギター弦の種類についてご紹介しました。
これ以外にもメーカーによる違い、さらに同じメーカー内でもラインナップの違いなどがあり、
たくさんの種類が存在します。
今回ご紹介した内容を参考に色々な種類を使ってみて、自分にあったエレキギター弦を見つけましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。