今回の記事について
レコーディングスタジオってどんな所なの?
何をすることができるの?
どういった料金システムなの?
今回はこういった疑問にお答えしていきたいと思います。
レコーディングスタジオとは?

音楽スタジオの内、楽器や歌などの演奏等の録音(レコーディング)、または音の編集・調整等(ミキシング)などを行うためのスタジオです。
CDや音楽配信サービス、Youtube等で聴くことが出来る楽曲の多くは、レコーディングスタジオで録音と編集・調整されたものといって良いでしょう。
レコーディングスタジオの特徴は?
こちらの記事で解説した「リハーサルスタジオ」も音楽スタジオの内の一つですが、
レコーディングスタジオにはリハーサルスタジオには無い特徴があります。
レコーディングスタジオの特徴
- 演奏をする部屋と、演奏を聴く部屋とで空間が分けられている
- 録音に特化した機材が充実している
- 機材は主にレコーディングエンジニアと呼ばれる人が操作する
演奏を行う空間とモニターする空間が分けられている

レコーディングスタジオの一番の特徴は、複数の部屋を備えている事です。
主に演奏をする部屋を「ブース」
モニターやオペレートを行う部屋を「コントロール・ルーム」
と言います。
ブースで鳴っている演奏の音を「出音(でおと)」
それをマイク等で収音し、コントロールルームで聴ける状態の音を「録り音(とりおと)」
と呼んだりします。
空間を隔て出音と録り音を区別することで、緻密な音の補正をしたり、それを正確にモニタリングしたりすることが出来ます。
またレコーディングスタジオによっては、複数のブースを備えるところもあります。
ブースが複数あると、複数の楽器を同時に録音することが可能となります。
録音機器が充実している

レコーディングスタジオには録音に特化した様々な機材があります。
録音機材の例
- ミキシングコンソール
- プリアンプ
- コンプレッサー
- イコライザー
- マルチトラックレコーダー
- モニタースピーカー
置いてある機材や仕様は、レコーディングスタジオの規模によって様々です。
大規模なレコーディングスタジオほど、大型で高価、または希少な機材を備えている傾向があります。

レコーディングエンジニアとは?

これらレコーディングスタジオの録音機器や設備は主に、レコーディングエンジニアと呼ばれる人が扱います。
レコーディングエンジニアの役割は、演奏や歌をより良い音(ミュージシャンやプロデューサー、ディレクターなどが求める音)で収録することです。
レコーディングスタジオの録音機器や設備の事を熟知し、さらには音楽理論や音響工学といった専門知識が必要な場面もあります。
またレコーディング(録音)だけでなく、ミキシングやマスタリングといった工程もレコーディングエンジニアが行う場合も多く、
最終的な楽曲の音のクオリティや質感は、レコーディングエンジニアの手腕によるところが大きいと言えるでしょう。
レコーディングスタジオの使用目的は?
このようにレコーディングスタジオでは、歌や演奏をより良い音で録音し、よりクオリティの高い楽曲などの作品制作をすることが出来るという事がわかりました。
ではこうして録られた音や出来上がった楽曲は、主にどのような目的で使用されるのでしょうか?
オリジナル曲の制作
一番多いのがオリジナル曲の制作です。
生演奏以外の方法で、オリジナル曲を誰かに聴いてもらうにはレコーディングとミキシングを行う必要があります。
それをレコーディングスタジオで行うことで、聴きやすくクオリティの高い音の楽曲になり、結果的により多くの人に聴いてもらい、より多くの人に感動を与える作品にすることが出来ます。
完成した楽曲は、
CDに収録して発売、配布
音楽配信サイトでの配信
MVを作成して動画配信サイトで配信
といった形で世の中に発信されます。
コピー曲、カバー曲の制作
他のアーティストが作った曲の楽器パートの演奏、または歌を録音してコピー曲、カバー曲を制作することが出来ます。
主な用途としては
「歌ってみた」「叩いてみた」などのWEBコンテンツ用
結婚式で披露するムービー用
その他、個人的な贈呈用
などが挙げられます。
最近ではYoutubeなどの動画配信サービスの普及により、レコーディングスタジオでコピーやカバー曲を制作する人が格段に増えました。
また結婚式や贈呈など、誰かに思いを伝えるために大好きな曲を自分で歌ったり演奏したりする、という事もよく行われています。
また当然ながらコピー曲はオリジナル曲のように、勝手にCDや配信で販売をすることはできませんが、
そうでない場合であっても、その用途が著作権の侵害にあたらないかどうかは気にしておく必要があります。
音声データの制作

レコーディングスタジオでは楽曲制作に関するものだけではなく、
音声のみの録音を行うことも出来ます。
例えば、
場内アナウンス
商品PRのナレーション
声優ボイスサンプル
こういった用途で使用するための音声データの制作をすることが出来ます。
ちなみに
映像に対して音声を入れる工程はMAやポストプロダクションと呼ばれ、
レコーディングスタジオでは行うことが出来ない場合もあります。
レコーディングスタジオの料金は?
レコーディングスタジオはどういった料金システムなのでしょうか?
時間あたりの料金設定

レコーディングスタジオは時間あたりの料金が設定されており、利用時間に応じて料金が決定する場合が多いです。
また、長時間利用に対する割引が設定されている所もあり、
6時間~10時間程度のパック料金などのプランが用意されているレコーディングスタジオも多いです。
用途に応じた料金設定

時間あたりの料金以外に、レコーディングスタジオによっては用途に応じて複数の料金設定がある場合があります。
名称や方法は各レコーディングスタジオによって様々ですが、共通しているのが大きいスタジオ(ブース)や、たくさんの機材を使わなくて良い内容ほど安い料金を設定しているという事です。
例えば
ドラムや大人数での録音ではなく、弾き語りやボーカルだけ録音する場合など
こういった場合は大きいブースや複数のブースは必要なく、小さいブースが一つあれば十分です。また使用するマイク、プリアンプなどの機材も少なくて済みます。
そういった方のために小スタジオ(ブース)使用プラン、もしくはボーカルや弾き語り専用プランというような料金プランのあるレコーディングスタジオもあります。
また、ミキシングやマスタリングだけを行うような場合もブースやマイクなどを使わないため、
ミキシング、マスタリング料金という設定をしている場合があります。
ちなみに
ボーカルプラン料金やミキシング、マスタリング料金は、利用時間ではなく1曲あたりの料金としている場合もあります。
まとめ
レコーディングスタジオってどんな所?
録音に特化した部屋や機材、またそれを扱うレコーディングエンジニアによってより良い音で収録、より良いクオリティの楽曲制作をおこなうためのスタジオ
レコーディングスタジオでは何ができる?
オリジナル曲の制作
コピー曲、カバー曲の制作
音声データの制作
レコーディングスタジオの料金は?
時間当たりの料金が設定されており、利用時間に応じて料金が決定する。
用途によっては、時間ではなく曲単位での料金設定の場合もある。
以上、今回はレコーディングスタジオの基本について解説しました。