今回の記事について
テレキャスターってどんなエレキギター?
モデルによってどう違うの?
どんなミュージシャンが使っているの?
今回はこういった疑問について解説していきます。
是非最後までご覧ください。
テレキャスターとは?
テレキャスター/telecaster
は1951年からフェンダー(Fender)社より発売されているエレキギターです。
Googleで「テレキャスター」と検索してみてください。
そうすると、トップに表示されるFenderのホームページの説明に、
「すべてはテレキャスターから始まりました。」
という記載があります。
その言葉通り、
今のエレキギターでは当たり前となっている構造もテレキャスターが元祖であり、テレキャスターの成功があったからこそ、他のエレキギターも後に続くことができたと言えるでしょう。
そんなテレキャスターについて紹介していきます。
「テレキャスター」が生まれるまで
「テレキャスター」という名前のエレキギターが発売されたのは1951年ですが、
それより前の1949年に「エスクワイヤー(Esquire)」という名称のギターが発表されました。
そう、このエレキギターには我々が知っているテレキャスターには付いてるはずの、フロントのピックアップがありません。
エスクワイヤーは当初、1ピックアップ仕様と2ピックアップ仕様とが存在しました。
その後2ピックアップ仕様のものは1950年に「ブロードキャスター(Broadcaster)」に改名されますが、この名前は先にグレッチがスネアドラムの名称として商標登録していたため、使えなくなってしまいました。
その後「テレキャスター」という名前が付けられ現在に至る、という経緯になります。
ちなみに
「ブロードキャスター」という名前に苦情が来てから「テレキャスター」という名前に決定するまでの期間、
本体から「Broadcaster」の文字を無くして販売していた時のものを、通称「ノーキャスター」と言います。
テレキャスターの特徴
テレキャスターは、
空洞の無い真っ平な一枚板のボディと指板材を貼らずフレットを直接打ち込んだネックとをネジで止める、
ボリュームなどのコントロール部を一連のユニットとしてプレートにまとめて取り付ける、
といった、それまでのギターと比べて制作工程を単純化し、量産化をしやすくするための作りそのものが特徴であると言えるでしょう。
時代を経て仕様変更されている箇所や、改良されたモデルなどもありますが
テレキャスターを象徴する特徴についてご紹介します。
ヘッド
テレキャスターのヘッドは全てのペグが6弦側に並んで付いている、いわゆる「片側6連」タイプのヘッドです。
弦を比較的まっすぐ取り付けられる「片側6連」タイプのギターは、弦が放射状に広がる「両側3連」と比べてチューニングが狂いにくいとされています。
また、フェンダー社のもう一つの代表的なギターであるストラトキャスターのヘッドと比べると、少し小ぶりなサイズとなっています。
ボディ
テレキャスターのボディはこのような形をしています。
加工はハイポジションの演奏性のためのカッタウェイがされているくらいで、
本当に一枚の板のようなシンプルな作りです。
最近では下の画像のように、コンター加工が施され演奏性に長けたモデルも存在します。
ブリッジ・サドル
テレキャスターのブリッジ・サドル部分には主に2つの種類が存在します。
上の画像は比較的ビンテージな仕様でプレートに縁があり 3連のサドルが使われているのに対し、
下は比較的モダンな仕様で、プレートに縁がなくサドルが6連となっています。
後者は前者に比べて、プレート自体が重いため締まった音になる、見た目がスマート、縁がないので演奏性が優れている、各弦の調整がしやすい、といったことが挙げられます。
モダン仕様は良いことも多いですが、それが本来のテレキャスターの良さと捉え、あえてビンテージ仕様のブリッジを選択する人も多いです。
サウンド
テレキャスターのサウンド的特徴と言えば、エッジの効いたブライトなサウンドという印象を持つ方が多いでしょう。
これは他の代表的なエレキギターと比べて
- 構造的にボディの空洞部分が少ない
- ブリッジユニットの金属版がリアピックアップを囲んでいる
といったことが要因としてあるようです。
テレキャスターはこういったサウンド的特徴もあってか、比較的ロックなギタリストに好まれる傾向があるようです。
テレキャスターのラインナップ
テレキャスターは仕様の異なる幾つかのラインナップが存在します。
テレキャスター
ベーシックなテレキャスターです。
ピックアップが2基でフロント・リア共にシングルコイルで
3wayセレクタ(フロント・ハーフ・リア)と1ボリューム・1トーンのコントロールが搭載されているものが基本仕様となります。
テレキャスター シンライン
テレキャスター シンライン(Thinline)は、ベーシックなテレキャスターのボディをくり抜き、セミホロウ(セミソリッド)タイプのテレキャスターです。
さらにシンラインの中でも代表的な2種類があり、
2基のピックアップが両方ともシングルコイルのタイプ(主に'60sとされる)と、
ピックアップが両方ともハムバッカーのタイプ(主に'70sとされる)があります。
ベーシックなテレキャスターの鋭くキリッとした音に、ホロウボディー特有のふくよかな音が加わったような豊かなサウンドになります。
テレキャスター カスタム
テレキャスター カスタムは、フロントピックアップがハムバッカーとなったテレキャスターです。
セレクタスイッチは6弦側に設置されており、コントロールは2ボリューム、2トーンとなっており、まるでレスポールの配置です。
このようにデザインやコントロール部もベーシックなテレキャスターとは大きく異なった仕様となっています。
テレキャスター デラックス
テレキャスター デラックスは、ピックアップが2基ともハムバッカーとなったテレキャスターです。
先述のテレキャスター カスタムと仕様が似ており、違う点といえばピックアップの他にヘッドの部分がラージヘッドとなっているところが挙げられます。
テレキャスターを使用しているミュージシャンは?
テレキャスターを使用しているミュージシャンは数多く存在します。
そんな中でも2022年現在、活躍中のミュージシャンをご紹介します。
小笹大輔(Official髭男dism)
使用機種
Fender / Telecaster
こちらの動画は、実際に小笹さんがテレキャスターを演奏されているスタジオライブの映像です。
テレキャスターの明るくて歯切れの良いサウンドもこの動画で確認することが出来ます。
向井秀徳(ZAZEN BOYS)
使用機種
Fender / American Elite Telecaster
攻撃的で刺さるようなカッティングが際立ちます。
向井さんの使用している「American Elite Telecaster」は、
縁無しプレート&6サドルのブリッジ部分やバックコンター加工がされていることに見られるように
テレキャスターの中でもモダンな仕様のラインナップであり、さらにその中でもハイエンドモデルに位置付けられるシリーズです。
ノイズレスピックアップが搭載されていたり、フロントとリアのピックアップをシリーズ配線にできる「S-1スイッチ」が搭載されていたりと機能面にも優れます。
ちなみに「American Elite Telecaster」のラインナップにはテレキャスター シンラインも存在するのですが、向井さんはそちらも所有されているそうです。
出典:リットーミュージック/ギターマガジン2021年4月号より
まとめ
テレキャスターってどんなエレキギター?
フェンダー社より1951年に発売された、
今存在するたくさんのエレキギターの元となったエレキギター。
テレキャスターの特徴は?
量産化をしやすくするためのシンプルな作り。
エッジの効いたブライトな音。
テレキャスター のバリエーションは?
ベーシックなテレキャスター以外に、
テレキャスター シンライン:Fホールという空洞の空いた構造のボディを持つ
テレキャスター カスタム:フロントのピックアップにハムバッカーが搭載されている
テレキャスター デラックス:リアもフロントもハムバッカーが搭載されている
こういったバリエーションが存在する。
以上、今回はテレキャスターの特徴についてご紹介しました。
最後までご覧いただきありがとうございました。